以前、「やっぱり福島高校の宝物は生徒たちだなぁ」ということを書きましたが、今回は「福高生にはハートがあるなぁ」という思いを強くしたことを紹介いたします。本校の定時制課程は、個性豊かな生徒たちが「ともに働き、ともに学ぶ」、まさに教育の原点ともいうべきところです。その職員室の前には「感謝の貯金箱」が置かれています。最近はマスコミでもネット上でも、何かと人を批判する場面を目にすることが多いですが、本校では「批判より感謝」の気持ちで自分の周りを見てみようということから、自分が感謝の気持ちを覚えたことを紙に書いて「感謝の貯金箱」に入れてもらうことにしているのです。
始めは「何か入るかな」と正直なところ不安に思っていましたが、色々なコメントが寄せられており、ある程度たまったところで教頭先生がまとめて紹介してくれます。
「暑い中、仕事頑張ってねとお客さんに声をかけてもらった」、「暑い中ゴミを回収してくれる(人に感謝)」、「職場に感謝、親に感謝、いつもありがとう」、「簿記の補修のおかげで理解できるようになりました。ありがとうございました」、「学校を休んでいて、休み明けにクラスメートがノートやプリントを見せてくれてありがたかった」など、何気ない日常に感謝を見出しています。こんな話を聞くとますます応援したくなります!
また、本校生徒の学校外での行動について、地域の方々からうれしいご連絡を何件もいただいています。おけがをなさった方を見かけた福島高校の生徒が救急車を呼んで誘導のお手伝いをしたとか、本校生徒のマナーがとても良く気持ちのいい思いをされたなど、お礼やお褒めのお言葉をいただいています。
その生徒たちは、当たり前のこととして自然にしたことなので逆に恐縮しているほどですが、このようなお言葉をいただくとこちらの心まで温かくなってきます。
世の中に100%幸せな人などいるのでしょうか。皆、何かしら不安や問題を抱えながらも毎日を頑張って生きているのだと思います。皆がお互いに対して、そんな優しいまなざしと感謝の心をもって過ごすことができれば、どんなに素敵な世界になるでしょう。まずは、福島高校からその輪を広げていきたいと思います!
福岡県立福島高等学校
校長 濱 順一 |