昨日は、日本だけでなく世界中の人々が、大変悲しい知らせを聞くこととなりました。バルセロナオリンピックの男子柔道において、直前の大けがを乗り越えて、見事、金メダルに輝いた古賀稔彦氏の訃報でした。
本校は令和2年度に創立110周年を迎え、令和2年11月7日に記念式典を実施いたしましたが、その際、古賀稔彦先生に御講演をいただきました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めながら様々な制約のある中での実施であったにもかかわらず、古賀先生には快く引き受けていただきました。
青い柔道着に身を包み、「夢はかなう」という演題で、ご自身の経験を踏まえて、本校生徒たちにわかりやすく、そして力強く、自分の可能性を信じて努力し続けることの大切さをお話ししてくださいました。
短い時間ではありましたが、明るく、気さくな古賀先生の、謙虚で深い人間性にふれ、参加した全員が感動を覚えた講演会でした。その時には、先生のはつらつとした笑顔に、まさかこんなに早く先生の訃報に触れることになろうとは誰も想像すらしませんでした。私たちにとっては、あの先生の御講演が一生の思い出となりました。
53歳というあまりにも早いお別れとなり、言葉も見つかりませんが、生徒、職員一同、先生からいただいた「一生精進、常に前進」という言葉を胸に刻みながら、最後まで世界一の柔道家としての生きざまを貫かれた古賀稔彦先生に、謹んで哀悼の意を表します。古賀先生、本当にありがとうございました。
福岡県立福島高等学校
校長 濱 順一 |